メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第387回 ゲンさんの新聞業界裏話

発行日 2015.11. 6


■ゲンさんの深イイ話 Q&A編 Part 9 53撰


前回の『第356回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ゲンさんの深イイ話 Q&A編 Part 8』(注1.巻末参考ページ参照)から、ちょうど半年ぶりになる。

ある読者の方から「ゲンさんの深イイ話は、いたって普通のことを当たり前のように言っているだけだと思うのですが、それでいて心に染みて考えさせられることが多いのはなぜなんでしょう」というメールを頂いた。

世に言われる名言、名台詞、故事ことわざの類の多くは一見何でもないような普通の事象を指して言っている場合が多い。

例えば、紀元前11世紀ごろの古代中国、周の名軍師で太公望と呼ばれた呂尚の言葉に「覆水盆に返らず」というのがある。

「覆水」とは、こぼれた水のことで「盆」は、その水を入れる平たい器を指す。つまり、こぼれた水は二度と元の器には戻らないという意味や。

これが転じて、取り返しのつかないことの喩えとして使われるようになった。

言葉自体は何の変哲もない当たり前のことや。こぼれて地面に流れ落ちた水が元の器に戻ることなど絶対にないというのは誰が考えてもそうやさかいな。

ただ、この言葉が3千年経った今でも「教訓」として人々の記憶に残り語り継がれているのは、その言葉を発したタイミングがあまりにもタイムリーやったためや。

呂尚には馬氏という妻がいた。呂尚は働かず読書ばかりしていたために妻の馬氏は愛想を尽かし実家に帰った。今で言う熟年離婚というやつや。

その後、呂尚は出世して「太公望」と呼ばれる大軍師になった。すると妻は手のひらを返したように復縁して欲しいと言ってきた。

その時に呂尚が盆に入っていた水を地面にこぼして「一度こぼれた水は元には戻らない。それと同じで一度切れた縁は二度と結ばれない」と言った。

それが「覆水盆に返らず」の語源となったわけや。

それに類似した名言、故事、ことわざというのは多い。というか、至って普通、当たり前と思えるような言葉こそが発する状況、人によって名言になるのやないかな。

この読者の方が「いたって普通のことを当たり前のように言っているだけだと思うのですが、それでいて心に染みて考えさせられることが多いのはなぜなんでしょう」というのは、その言葉を受け取る側が共感されるからやと思う。

一見何でもないような言葉が、その人にとっては「心に染みて考えさせられる」のやと。

過去の「ゲンさんの名言集」とか「ゲンさんの深イイ話」もワシにとっては、当たり前のことを当たり前に言うてるつもりなんやが、そう言って貰えるだけで、このシリーズを続けてきた甲斐があったと思う。

これもワシが普段よく言うてることやが、名言というのは言うた人間より、その言葉を教訓として活かすことのできる人の方が数段素晴らしいと考えている。

要するに、その言葉を「名言」と取るか「駄言」と考えるかは、すべて読者次第やということや。

ただ、言葉というのは、たった一つ、一度聞いたものでも劇的にその人の人生を変えることもあるさかい、いろんな人の言葉に耳を傾けるのは損やないと思う。

ということで、そろそろ始めさせて頂く。


ゲンさんの深イイ話 Q&A編 Part 9


新聞やテレビなどのマスメディアを批判しておられる方こそ、実はそれらの媒体がなくなると困るという矛盾を抱えていることになるわけです。(NO.1251 より)


新聞勧誘は相手のある仕事やから、いくら勧誘員が一生懸命になっても、その相手次第という側面がある。相手がその気にならん、応じないというのであれば、どうしようもない。

本当は、そうなった場合の方法はいろいろあるが、勧誘の初心者で、やる気の失せている人に対してのアドバイスは、悪いけどワシにはできん。この仕事は本人の意思、やる気が大きく左右するさかいな。(NO.1254 より)


予約も立派な契約になる。「余裕ができたら」という条件付きの契約など新聞に限らず、世の中すべての契約事ではあり得んことや。そんな曖昧な契約書など、どこにもない。(NO.1255 より)


目的のためには手段を選ばないというやり方では人の賛同や共感は絶対に得られませんからね。(NO.1256 より)


新聞社を持ち上げることもなければ、貶めるつもりもない。良い面も悪い面も正直に話したい、知らせたいと考えとるだけや。それ以外に他意はない。(NO.1257 より)


人間の社会は数を味方につけた者の勝ちや。(NO.1258 より)


ワシも、たまに若い専業員に「あれやれ、これやれ」と言うて使うことがあるが、それは憎くてとか、使い勝手がええからということとは違う。そうすることで、その若い専業員がどう反応し、どう動くかを見ているつもりや。人物評価の一環として。(NO.1258 より)


上手い交渉は、相手の立場を思いやりつつ、こちらのペースで進めることや。(NO.1260 より)


どんな法律や決まりがあろうと、それだけを振りかざして交渉すれば揉めやすく、まとまりにくい。(NO.1260 より)


生き死にの戦いに卑怯もへったくれもない。そのつもりがないのなら、最初から喧嘩などせんことや。(NO.1261 より)


相手がどんなに屈強で強そうな男でも怖がることはないし、逆にどんなに貧弱で弱そうな者に対しても油断することはない。(NO.1261 より)


自信満々な人間より、臆病な人間の方が却って怖い。強い者は相手を舐めてかかるが、弱い者は必死に工夫して戦おうとするさかいな。(NO.1261 より)


どんなに弱くとも強い者を負かす方法は必ずある。(NO.1261 より)


戦いに必要なのは、ただ一つ。それは戦おうとする勇気だけや。勇気があって、あきらめなければ勝機は必ずある。どうにかなる。(NO.1261 より)


どんな仕事でも最初はきついものや。しかし、慣れれば大したことやないと思えるようになる。(NO.1262 より)


営業面で経費削減をするようになった企業に救いはない。たいていは潰れとる。
当たり前やが、営業には攻めの姿勢がなかったらあかん。それに水を差すようなやり方をして上手くいくわけがないわな。それに気づく企業は少ないが。(NO.1265 より)


人は、目の前に壁が現れた場合、それを乗り越えられるものと考えられるか、それを行き止まりと捉えるかによって、その後の人生が大きく変わると思う。

もっとも、壁を越えた結果の展望が開けているとも保証できんし、行き止まりに気づいて回り道することが悪いとも限らんさかい、どちらを選べとも言えんがな。(NO.1265 より)


相手にとっては悪い、けしからんと思うことでも、あんたにとってはそれほどでもない、あるいは何の問題もないと思えることはいくらでもある。(NO.1267 より)


例え自分が悪いと気づいたとしても口論していると謝る気になれんという人は多い。(NO.1267 より)


作り話には破綻した部分が多く表れる。(NO.1267 より)


ウソをつく人間は、その場、その場で適当に取り繕うとする意識が働く。当然やが、事実であれば、それを示す証拠も多く破綻したところはないもんや。(NO.1267 より)


意図的にウソをつく人間には、それなりの狙いが必ずある。(NO.1267 より)


ワシも客は大事にすべきやとは考えるが、それはあくまでも普通の常識ある購読者についてで、わけの分からん言いがかりをつけるような人間まで客として扱う必要はないと思う。(NO.1267 より)


客が店を選択できるのと同じく、店が客を選択しても一向に構わん。そもそも商売とはお互いの合意によるもので、一方だけが我慢を強いられるべきものやないと考えるしな。信頼が壊れたら、付き合いは終わる。商売人と客との関係はそれでええと思う。(NO.1267 より)


勧誘員が減れば獲得部数が減る。部数が減れば販売店が減る。販売店が減れば勧誘員が減る。現在、新聞業界はその負のスパイラルから抜け出せない状況にあると言える。(NO.1270 より)


言うてもあかんことは言うだけ損、無駄や。(NO.1271 より)


どの業界にも浮き沈み、好不調の波はあるもんやが、現在、新聞販売店は最悪の状態を迎えていると考えて、耐えるしかないやろうな。世の中、何事においても悪い時もあれば良い時もある。常に悪い状態ばかりということはない。そのうち必ず好転する。そう信じることや。(NO.1271 より)


タダやと言うので契約書にサインしたというのは、迂闊やったと思う。言葉だけを信じて迂闊にサインするとトラブルに遭いやすい。(NO.1272 より)


何でもそうやが、嫌なものは嫌と、最初の段階で断らなあかんということや。それをせずに、商品を受け取った後になって強制されたので払うつもりがないでは世の中通用せん。

例えて言えば、好きでもない料理を強制的に食わされたと感じたから、その代金を払わないというのに似ている。(NO.1273 より)


昔から「勉強するなら新聞を読め」とは、ワシらの子供の頃からよく言われていたことで、それはある意味正しいと思う。世界的に見ても新聞を読んでいる子供ほど学力が高いという確かなデータがあるさかいな。(NO.1274 より)


新聞販売店の人たちを含めた業界関係者のこれからの頑張り次第では、まだまだ新聞には未来と希望があると確信しとる。(NO.1274 より)


契約というのは契約の当事者の死を以て終了する。当たり前の決定や。(NO.1276 より)


事、新聞業界の場合、一般の法律よりも業界の決め事、通達の方が重視される。
法律上、「渡した景品類の返還要求」に問題がなくても日本新聞協会、および新聞公正取引協議会がNOと言えば、それに従うしかない。(NO.1276 より)


もともと日本新聞協会、および新聞公正取引協議会というところは、監視組織であって、新聞販売店や拡張団を守るための組織ではない。(NO.1276 より)


脅かすわけやないが、世の中無知な者ほど怖いものはない。知っていれば思い止まることでも知らんがために暴走する者もいとるさかいな。(NO.1277 より)


何事もそうやが、被害に遭う危険があるのなら、事前にその危険をなくすよう対処するしかない。被害に遭うケースというのは、何の用心もせず油断している時と相場が決まっとるしな。(NO.1279 より)


そもそも営業の仕事は信頼関係があって成立するものですので、最初からそれが壊れているような関係で上手くいくとは思えません。(NO.1280 より)


契約は、提示された条件をお互いが納得した上で交わすものや。一方がその条件を拒否し、他方がその条件を遂行しなかった時点で契約は成立していないものと見なされる。(NO.1281 より)


拡張は難しい客を落とすことやない、簡単な客をできるだけ多く探し出して、これはいけるなと判断した場合のみ、その相手に全勢力を集中して口説き落とすわけや。それが、より多くの契約を上げる秘訣ということになる。(NO.1284 より)


簡単な客というのは、その拡張員にとって簡単な客であって、すべての拡張員にとって簡単な客と言うわけやない。人によって違う。(NO.1284 より)


拡張の仕事は99%断られても残り1%から契約を貰えれば御の字で、コンスタントにそれができるのなら相当稼げる。(NO.1284 より)


自分に合った落としやすい客、波長の合う客というのは、その客からしても同じで「感じの良い拡張員」と認識するケースが多い。(NO.1284 より)


大組織にはありがちなことやが、官僚的な考えに毒されていて、一度決めたことは、どんなことがあっても最後までやりぬくということなのやろうな。それが大組織を率いる人間のメンツということになる。

そして、そのための犠牲、下支えになるのは、たいてい底辺にいる者と相場が決まっている。つまり、トップの考え次第で下の者に負担がかかるのは仕方がないということになる。いつの時代でもそうであるようにな。(NO.1287 より)


『低所得低学歴、社会的地位もない』から何もできないと考えればそうなる。人は自らの生き方、可能性をそうやって抑えている限り、そこから抜け出すことも今以上になることもできない。(NO.1288 より)


『低所得低学歴、社会的地位もない』からこそ、のし上がるんやと思えば、そうなるもんなんや。人は思いの強さで変わる。要はそう信じることができるかできないかの違いがあるだけやと思う。(NO.1288 より)


人は自身の思い一つでどうにでも変われるわけや。変われないのは、その人が、そう思い込んで自らに限界を作っているからに外ならないからやと思う。(NO.1288 より)


何の変哲もない、つまらないと思える生き方が実は最高の人生やったりするわけや。人は失って初めて、それに気づく。それでは遅いんやがな。(NO.1288 より)


今、あんたに守るべきものがあるのなら、それを大事にして貰いたいと思う。(NO.1288 より)


底辺の人間がいて一部の指導者がいるから、この人間の世は上手くいっているのであって、底辺の人間ばかりでもトップの人間ばかりでも社会は成り立たない。

それぞれがそれぞれに大事な役割を担って生きていると考えるがな。人に害を為す者以外、この世の中に不必要な人間など存在しないと。(NO.1288 より)


失敗があったからダメだと思うか、失敗があったからこそ次はない、大丈夫だと信じられるか、その見方の違いで評価は大きく分かれると思う。(NO.1288 より)


人は向上心がある限り、いくらでも進歩する可能性がある。要は自分自身で、自分に限界や制限をかけんことやな。そして何度も言うが、負の思い込みは捨てることや。(NO.1289 より)


世の中すべてのことについて言えることやが、そこに人が介在している限り、様々な人間の思惑が働くもんや。あこぎなことをする輩もいれば、そうでない人もいる。(NO.1293 より)


人は一事を万事と考えがちやが、人間の社会は、それほど単純なものやないと思う。(NO.1293 より)


日本の社会は、良くも悪くもムードや風潮に流される傾向が強い。多くの人が悪い、けしからんと言えば、その理由と経緯はどうであれ、批判の対象にされてしまいやすい。(NO.1293 より)


ワシは常にピンチはチャンスに変えられると言っているが、そのピンチの度合いが大きいほど、それに倍するチャンスになる場合もあると考えている。(NO.1293 より)


分からないことがあって、それを知っている人が、例え幼稚園児や小学生であったとしてもワシらは頭を下げてでも教えを乞うことを厭わないつもりや。(NO.1299 より)


死ぬまでに一つでも多くのことを知りたい。ワシらは、そう考えて生きてきたし、これからもそうするつもりや。(NO.1299 より)


人に分からないことを尋ねるのは、けっして恥じでも何でもない。本当の恥じとは知りもしないのに知ったかぶりをして、人に話すことやと思う。(NO.1299 より)


面倒で、悠長すぎると思われるかも知れんが、難しい人には、それなりの対処をせなあかんさかい、その意味では仕方ないと思う。急いては事をし損じる。
敢えてアドバイスするとしたら、それやな。(NO.1300 より)


以上や。

何か一つでも共感できる、役に立ちそうやと思える言葉があったかな。あるいは気になる、引っ掛かる、といったものがあれば教えて欲しいと思う。

今後の参考にしたいので。



参考ページ

注1.第356回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ゲンさんの深イイ話 Q&A編 Part 8
http://siratuka.sakura.ne.jp/newpage19-356.html


白塚博士の有料メルマガ長編小説選集
月額 216円 登録当月無料 毎週土曜日発行 初回発行日 2012.12. 1

ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集 電子書籍版パート 
2011.4.28 販売開始 販売価格350円
 

書籍販売コーナー 『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでも選集』好評販売中


ご感想・ご意見・質問・相談・知りたい事等はこちら から


ホームへ

メールマガジン『ゲンさんの新聞業界裏話』登録フォーム及びバックナンバー目次へ