ゲンさんの勧誘・拡張営業講座

第1章 新聞営業の基本的な考え方

法律・規則編

その4 消費者契約法についての考え方


消費者契約法というのは民法と商法の特別法という位置づけになっとる。せやから、前項の民法についての考え方とも重複する。

この法律は2001年4月1日に施行された比較的新しい法律や。それ以前の契約は、原則としてこの法律の範疇にないということになる。

この法律は、消費者と事業者間の契約すべてが対象となる。勧誘時に不適切行為があれば契約は取り消せる。全体的には消費者有利な法律や。せやけど、消費者側にも注意せなあかんことが幾つかある。

新聞勧誘時で該当する不適切な行為とは「嘘を言う」「うまい話を言っておいて、都合の悪いことを知っていて隠していた」「自宅に押しかけて来たので、帰ってくれ、と言ったにも関わらず帰らなかった」ということなどがそうや。 

これは、消費者からのアピールがあって初めて適応される法律や。アピールも早めにせんと手遅れになるケースもある。時効というものがある。

例えば、騙されたと気づいた時から6ヶ月以内に、契約を解除したいという意志を販売所に伝えとかんとその契約の解除が時効のために出来んということが起きる。

ここで、勘違いしやすいのが、契約してから6ヶ月ということやない。新聞契約の場合、約入りと言うて、1,2年先の契約も珍しいことやない。

その時に交わした契約が、拡張員との間で1年契約やったのが、実際、購読すると2年契約やったということも十分考えられる。そこで、初めて騙されたと客は気づく。この法律は、その時点から、6ヶ月以内は有効やと言うてる。

しかし、実際はその時点になったら、揉める。客と販売所の両方の言い分が、くい違うことが多い。恐らく、かなりの確率で、当時の契約をした拡張員は辞めるか他に行っておらん場合が多いからな。当時者である拡張員がおらんからそうなり易い。

この場合、契約書の明らかな改竄による解約の申し入れは何の問題にもならんが、勘違いというのがある。実際、こういうことはたまにやが起きる。

拡張員が2年契約やと説明して、契約書にも確かに2年となっているが、客の方は1年契約やと思い込み、騙されたと言うケースや。

実は、ワシもこういうケースがあった。ワシの場合は、そのクレームを聞いてすぐその家に行ったから客の勘違いやということが分かった。説明は簡単やった。渡した拡材は1年契約と2年契約では当然違うからな。

しかし、当時の拡張員がおらず、何年も経っているとその真偽を確かめるのは難しい。渡した拡材の記載がなければ、どうしようもない。

普通、契約書は住所、氏名欄は契約者が書くが、購読期間なんかは拡張員が書く。せやから、客の言い分は、契約期間は拡張員が黙って断りなく勝手に書き込んだと言うわけや。

もちろん、その可能性がないとは言えん。しかし、この場合は可能性は少ないと思う。実際に契約期間を記載した契約書をその場で渡しているんやからな。その契約書をその場で確認したらすぐ分かることや。

せやから、この場合は、6ヶ月の猶予期間が適用され、それを遙かに過ぎるこの場合の契約解除は難しくなると思う。落ち度という点では、客の方が迂闊やったとなる可能性が高い。

因みに、契約が締結されて5年が過ぎると、取り消しや解除が出来んということも覚えておいた方がええ。これも時効や。

他には、単に「説明がなかった」「説明が不十分」ということだけでは契約の取消は出来んということがある。

例えば、折り込みチラシが少ないということを教えてくれんかったから解約したいと言うても、この法律ではあかんということや。

折り込みチラシと新聞本紙とは直接の関わり合いがないからな。当然やけど、販売所は客から折り込みチラシ代を貰っとるわけやない。折り込みチラシの量が多くても少なくても新聞本紙の代金に影響はないと考えられる。

もっとも、拡張員が折り込みチラシは他より少なくないとか、一緒かあるいは多いと言うてた場合、明らかに売り込む新聞の折り込みチラシの量が少ないという事実を知って、そう言うのであれば、これは、嘘や騙しになるから、契約の解除は出来る。

これは、拡張員、営業員の立場で言わせて貰えれば、明らかに不利と思われるようなことは、聞かれもしないのに喋りたくないというのが、本音や。

ワシも実際これで良う悩むことがある。今、ワシが拡張しとるY新聞の東海地域では、C新聞に比べて折り込みチラシの量が少ない。半分程度のバンクもある。

単にそれだけで嫌う客も主婦層には多い。ワシはこんな場合「肝心な広告は同じですよ」というトークを使う。主婦の言う折り込みチラシとは大半がデパートやスーパーのチラシのことや。

スーパーやデパートの広告は、ほとんどの新聞に入れる。実質上の不利益はないはずやと訴えるわけや。せやけど、他の地元業者はC紙以外に折り込みチラシを入れるのは敬遠しとるのが現状や。

客の立場で言えば情報が、他の新聞から得られるより少ないのは困るし、嫌やわな。その肝心のデパートやスーパーのチラシも少ないのやないかと疑いたくもなる。

こういう場合は、消費者から 疑問な点は確かめなあかん。営業員は聞かれもしない不利なことは喋らんからな。逆に、聞かれたことはちゃんと答えな後でその営業員の立場が悪くなるがな。

ここで、該当する不適切な行為の「うまい話を言っておいて、都合の悪いことを知っていて隠していた」ということになるのやないかという疑問を持つ者もおると思う。

実際にこういう事例で法律的に争った記録はなかったが、新聞本紙と折り込みチラシの多少の差が必ずしも都合の悪いこととは言えんとワシは思う。

確かに折り込みチラシを重要と考える人間はいとるが、その折り込みチラシをただのゴミと思っとる人間も多い。拡張しとると、折り込みチラシは入れんといてくれという客も中にはおるからな。

せやから、法律的な判断の範疇に含むのは難しいやろと思う。もっとも、何度も言うが、最終判断は裁判官しか出来んのやけどな。

契約と直接関係ない事で拡張員や販売所側に問題があっても契約が取り消せんということがある。

例えば、その契約をした拡張員の良からぬ噂を耳にしたとか、販売所の評判が良うないとかという話を他から聞かされた場合やな。

客としたら、そんな所の新聞は読みたくないという気持ちは良う分かる。せやけど、法律でそれを認めてたら、契約制度そのものが成り立たん。極端な話、悪い噂があれば、嫌な契約はすべて解除出来ると言うことになるからな。

尚、実際に取消を行うには、内容証明郵便、配達証明郵便などの文書でしといた方がええ。法律の揉め事の解決は、この文書による効果が大きい。他の所でも言うが、クーリングオフなんかは文書以外は効力がないとされとるからな。

次に面白いサイトがあったから紹介しとく。この法律について、自分の今の立場でどう対処したらええか分かるような仕組みになっとる。

消費者契約法チェックシート


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