ゲンさんの勧誘・拡張営業講座
第2章 新聞営業の実践についての考え方
拡張トーク編
その4 雑談トークについての考え方
雑談。ワシは、これが得意やし好きや。ワシは大抵、客とは仕事だけの話はしてない。ワシが営業の仕事をしとるのも、この雑談を誰とでも交わすことが出来るからというのが大きい。
雑談というのは、営業において、特に人間関係構築ということに関してはなくてはならんものやと思う。上手く雑談が交わせる相手とは成約率はそれだけ高くなるからな。
加えて、知識も増える。当然やけど、客もそれぞれの固有の人生を歩んで来とるから、ワシの知らんことも多い。本来なら知り得んことも、そういう雑談を交わすことで知ることが出来る。何か得した気分になる。
ワシも、昔は、この雑談というのを、営業のためだけに考えていた時期があった。今日の客には、どんな話のネタがええかというようなことを、毎日、必死で良う考えとったもんや。
そのためには、いろんな情報を仕入れとかなあかん。新聞を読むのは当然として、テレビ、ラジオ、本、今やったらインターネットとあらゆる情報がその雑談のネタになる。
サボッて見る映画の内容でも雑談のネタとしては面白い。その映画での内容を雑談として、メルマガ『新聞拡張員ゲンさんの裏話 第13回 ゲンさんの勧誘実践Part 1』で紹介しとるから、見れば参考程度にはなると思う。
どんなことでもと言うのは、パチンコ、マージャン、競馬、競艇、競輪なんかの話でも、相手によれば効果的な雑談になる。
雑談の基本は面白くないとあかん。この面白いと言うのは、相手にとってやで。何ぼ自分だけがこの話は面白いやろと思うても、相手が興味を示せへんかったら、ただの迷惑な話にしか過ぎんさかいな。
せやから、雑談のネタは相手を見て言わな逆効果になる。相手が興味を惹くことで、その相手よりちょっとだけ有意義な情報を知って、そのことが話題になれば、大抵の人間は話しに乗る。
そのちょっとの差を常にアンテナを張り巡らし情報を入手するようにしとかんとあかんということや。
しかし、そういう風に構えてしまうと、ただの雑談が難しいものになるがな。あまり、むずかしく考えてもあかん。雑談は雑談なんやからな。
慣れてくれば、難しいことやない。誰でも、普段、友人なんかとは普通に雑談を交わしとるやろ。そんなとき、誰もそれが難しいこととは思わんわな。
まあ、そうは言うても、営業の仕事で使うとなれば、最初は誰でも構えてしまうもんや。上手く喋れんことの方が多いかも知れん。面白い話をしようと考え過ぎたら余計にな。
秘訣というほどのことでもないんやが、最初は、自分の得意分野の話を中心にするようにしたらええ。話しやすいネタだけに絞るんや。
もっとも、それやと、相手が限定されるということもあるかも知れんが、それは仕方ない。まず、客と打ち解けるということが先や。そのための雑談やからな。
何でもそうやけど、初めは自分の出来そうな所から入る方がええ。心配せんでも、誰でも経験と場数を踏めば、そういうことには慣れる。
この雑談のメリットは、その客との雑談自体がネタとなり、次の客に生かせる可能性があるということや。雑談が雑談を呼ぶというやつやな。
それに、上手すぎる話やと思われるかも知れんが、この雑談で気に入られ、そこで、成約ということになって、その話が面白ければ「その話やったら、あの人も好きやで」と言うて紹介して貰えることもある。
そのためには「好きこそものの上手なれ」と言うように、雑談が好きになることやな。好きになれば何でも自然に上達するもんや。言うとくけど、仕事のためと考え過ぎたら長続きはせんで。
営業の仕事は、話すことが第一やから、少なくとも自分を話好きにせなあかん。そのためには、雑談が有効やということや。
最後に、営業で出来ると目されとる人間は、この雑談というのが好きで得意なはずやということを教えとく。