ゲンさんの勧誘・拡張営業講座

第2章 新聞営業の実践についての考え方


拡張タイプ編 

その3生真面目タイプ


昔と違うて、今はこういうタイプが多い。生真面目という言葉には、二つの要素が含まれとる。

一つは、そのまま、真面目で誠実ということや。これは、営業において相手にそう思われるというのは大切なことや。胡散臭いなと思われるのとではえらい違いやからな。

もう一つは、融通が利かんという風にもとられる。融通が利くというのは、臨機応変に対処出来るということなんやが、それが利かんというのは、営業員では辛い。

誠実で融通が利くというのが理想なんやけど、それが同居しとる営業員というのは少ない。

真面目な者は大抵が誠実や。まあ、不誠実な者を真面目とは言わんがな。

融通が利くというのは、ある程度の清濁は合わせ飲むということが必要になる。分かりやすく言えば、少々のことは目をつぶるということや。

生真面目な性質の人間はこれが苦手や。極端になるとどんな不正も許せんとなる。これでは、人間的には問題ないかも知れんが、営業の世界ではしんどい。

言い方は悪いが、営業というのは妥協の要素の強い仕事やからな。明らかな違法行為とか不正というのはあかんが、許される範囲内やったら、それもあると認めなあかん場面もある。

営業の第一義は、契約を取ることや。そのために、あらゆる手段を講じる。今、これを見とるあんたも、そのヒントなり方法、手段が知りたいはずや。

営業を中心に考えるんやったら、その仕事中は個人を殺さなあかんと思う。契約を取って何ぼというのが、営業員やからな。

ただ、生真面目で融通が利かんということが、マイナスになるだけとは限らん。ここが、営業の難しさであり、面白さや。

客によれば、それを好む人間も結構多いからな。それで、契約が貰えれば、そのスタイルも正解なわけや。

この生真面目タイプの弱点を先に言うたが、利点も当然ある。客から誠実やと評価して貰いやすいということと、このタイプは総体的に粘り強い人間が多いということや。

黙々と仕事を続けるタイプや。実は、拡張の営業はこのタイプの方が成績のええ人間が多い場合がある。

例えば、その日、自分で今日は100件の家に訪問して叩くと決めれば、このタイプは必ずと言うてええほど、それをやり遂げる。

どんなことでもそうやが、最後に笑う者は、途中で絶対にあきらめん人間や。そのタイプに生真面目な人間が多い。融通は利かんがな。


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