ゲンさんの勧誘・拡張営業講座

第2章 新聞営業の実践についての考え方


拡張タイプ編 

その5 短期集中タイプ


これは、拡張員に一番多いタイプや。短時間で成果を上げようとするやり方や。ワシの経験から、人間の集中力の持続は、ええとこ2時間くらいのものやろと思う。

特に営業のように精神に負担のかかる仕事はな。もちろん、これもそれに向くタイプとそうでもないタイプとに別れる。

短距離ランナーと長距離ランナーの違いやな。両方を兼ね備えとればええのやろうけど、そんな人間はまずおらん。

言うまでもなく短期集中は短距離ランナーや。短時間にすべてを出し切る。そういう営業をするタイプのことや。

因みに、長距離ランナーは後の項で説明するが、牛歩タイプというやつや。

短期集中型は効率を重視せなあかん。無駄な動きは時間のロスになる。具体的には、地域を限定して営業する。

そのためには、その地域の状況というものを把握しとかなあかん。そういう意味もあり、こういうタイプはベテランが多い。

ベテランはその経験から、その地域のどの時間帯にどういう客がおるかというのを把握しとるから、それに合わせて営業するわけや。

ただ、単に短時間で集中するだけではあかん。状況分析がすべてと言うてもええ。それの出来ん人間はこの営業は向かん。

新人で入った人間はどうしてもそのベテランの真似をしようとする。考え方としては間違うてない。しかし、表面的に同じことをしても結果が出ることはまずない。

経験のないものにその状況分析が出来ることはないからな。また、そのベテランと言うても、初めての地域ではそれも難しい。状況というのは、その場その場で違うからな。

客層というのも地域毎に違うのが普通や。また、広い範囲の違いでは土地柄というのもある。すべてを把握するのは、それなりに場数を踏まなあかんということや。

一見、誰でもやってそうで、一番ええと思える方法かも知れんが、この営業法を自分のものにするには一朝一夕にはいかんということを認識しとく必要がある。

ただ、この短期集中法も時間区切りで多用すれば、比較的経験の浅い者でも効果は上がるかも知れん。

つまり、2時間拡張して30分程度の休憩を入れ、また同じことを繰り返すということや。

短距離走者の練習と一緒や。初心者はダッシュの繰り返しを練習して、それを体に覚えこませる。それが出来るようになって初めて、本番のみの短距離が走れるということや。

短期集中が効果を上げるのやなくて、効果を上げるために短期集中するんや。そのことを忘れんことやと思う。


ご感想・ご意見・質問・相談・知りたい事等はこちら から


ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 目次へ                       ホームへ