ゲンさんの勧誘・拡張営業講座

第1章 新聞営業の基本的な考え方 
     
     人間関係構築編


      その5 余裕を持て


これは、Q&AのNO.27の人にも、回答で話したことやが、人間、余裕をなくしたらあかん。何ぼ、営業やからと言うて、そればっかりに神経を集中しとったら、人間の回路は切れる。

しかし、そうは言うても、この拡張の仕事を始めたばかりの者は、そんな気になれんわな。急がば回れとか、心に余裕を持てと言われても、それは、あんたみたいなベテランやから言えることやと思うやろうからな。

そういう人間のために、余裕の持てる方法を教える。

まず、どうして余裕が持てんのか。簡単やな。カードが上がらんからや。カードが上がれば誰でも余裕を持てる。それなら、カードを上げればええ。

別に、禅問答をしてるわけやない。カードを上げようとばかりするから、結果として上がらんことになる。

こういう、状況に陥った場合は、叩くのを辞めて、暫く別の営業法をやってみる。こんな時、一番ええのが「拡張の手口 その2 人間すべて客と思え」の考え方や。

ここで、拡張は一軒づつ叩くだけやなく、そこらを歩いとる人間を勧誘してもええと言うたが、この場合にその方法を実行する。新聞は皆読むから、誰でも客に成りうるということを肝に銘じる。

そこではパチンコ屋での接し方で例に上げたが、別に喫茶店であろうとどこでもええ。一番、やりやすいと思う場所で、自分に合いそうなターゲットを見つけて、話しかけてみる。

最終目的は、新聞を売り込むことやが、拘ることはない。まずは練習のつもりでええ。話の出来そうな相手を自分で選ぶから、少しは気が楽になるやろ。

気の合う人間を見つけたら、第一段階クリアや。その人間を客にするように持っていくのもええし、本当の友人付き合いをするようにするのもええ。

これは、練習というか訓練の一環やから、それに失敗しても、それほど気落ちすることはないはずや。神経もそれほど使わん。

これの繰り返しが余裕を生むことになる。話好きになるかも知れん。ワシは話好きやけどな。営業で人間関係を作ろうと思うたら、最低でも、自分を話好きにせなあかん。

勘違いしたらあかんが、話上手と話好きは違う。話好きの人間は聞くことも好きや。上手に喋る人間が話好きとは言えん。話下手でも構わん。その方が親しみが持てると言う人間も多いからな。

せやから、話下手やからと卑屈になることはない。それに、人との会話を増やせば、ある程度、慣れる。人と話すのならそれで十分や。

何で、拡張で神経が疲れるのかというと、一軒一軒叩く度、常に真剣勝負の気持ちになるからや。これは、誰でもそうなる。もちろん、ワシもや。

常に、契約を上げることしか考えん。ここは、まあ、ええかとは思わんからな。疲れん方がおかしいくらいや。当然、余裕なんかとも無縁のことになる。

ところが、その辺の人間に声をかけるのは、それほど疲れることはない。真剣勝負とまでは入れ込む必要はないからな。もっとも、慣れんとやりにくいという面はあるがな。

せやけど、営業を選んだくらいやから、人と話することを苦にすることもないやろ。そうしてる内に、自然と相手とのコミュニケーションも取れて来るようになるもんや。

余裕も生まれる。余裕を持てば、契約も自然に上がる。これは、ワシの経験で言えることや。その余裕は、人と数多く話すことから生まれるとワシは信じとる。


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