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第388回 ゲンさんの新聞業界裏話
発行日 2015.11.13
■新たなる特定商取引法改正への動き……勧誘に関する規制について
2009年12月1日、『特定商取引に関する法律』の改正法の施行(注1.巻末参考ページ参照)が始まってから6年になろうとしているが、またぞろ同法律の改正が検討されている。
具体的には、内閣府消費者委員会による「特定商取引法専門調査会」(注2.巻末参考ページ参照)というのが、それや。
その理由としては、
PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)に寄せられた苦情相談の状況を見る限り、
平成26 年度の訪問販売に係る苦情相談は8 万7979 件、電話勧誘販売に係る苦情相談は8 万9741 件となっており、それぞれ全体の9.3%、9.5%を占めている。
特に高齢者の苦情相談において訪問販売と電話勧誘販売の占める割合は大きく、訪問販売で15.5%、電話勧誘販売で18.7%となっている。
また、認知症等の高齢者に関する苦情相談の39.3%が訪問販売、22.0%が電話勧誘販売となっている。
平成20 年の特定商取引法改正以降、PIO-NET に寄せられた訪問販売及び電話勧誘販売に関する苦情相談件数及び強引と評価される勧誘に関する苦情相談件数は横ばいとなっている。
という結果になっていて、2009年12月1日施行の『特定商取引に関する法律』の改正法が数字的にもあまり効果が上がっていないためやということらしい。
もっと、突っ込んだものにしなければいけないと。
PIO-NET(パイオネット)とは、国民生活センターと全国の消費生活センターをネットワークで結び、消費者から消費生活センターに寄せられる消費生活に関する苦情相談情報(消費生活相談情報)の蓄積、収集を行っているシステムとのことや。
主な目的には、「行政機関による消費者被害の未然防止・拡大防止のための、法執行への活用」、「国・地方公共団体の消費者政策の企画・立案及び国民・住民への情報提供」などがあるという。
つまり、この手の法律を作るためのデータベースやな。
国民生活センターと全国の消費生活センターについての活動は概ね正しいとは理解しているつもりやが、中には『第271回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■消費者センターの警告チラシ『新聞購読の契約は慎重に!』の是非について』(注3.巻末参考ページ参照)で話したように新聞勧誘が何かも知らず堂々と啓発チラシを作って配布したケースもあったさかい、そのデータとやらも個人的には鵜呑みにできんという気になる。
あり得ない、起き得ない設定を作って如何にも新聞勧誘をすること自体が悪質で違法性があるかのようなチラシ作りを消費生活安全センターがしていた事実が実際にあったからな。
一般の人が「新聞勧誘が悪質や」と思われるのは仕方ない。その事実も例え一部にしろあるのは間違いないさかいな。
しかし、行政に携わる人間が、それに便乗して新聞勧誘の仕事を意図的に貶めるような行為は許されることやないと思う。
そもそも新聞勧誘を含む訪問販売は、公に認められた立派な仕事や。勧誘するために各家庭、企業を訪問すること自体に問題はない。
公の行政機関であるなら、正当な仕事に対しては、それなりの配慮があってしかるべきやったと思う。
当然やが、勧誘員は新聞を勧誘することで生計を立てているわけや。この消費生活安全センターの行為は、その生活を脅かすものやと言うても過言やないほど、ひどいものやった。
それも正しい事実と認識に則った記述、記載ならまだしも、事例として成立し得ないような内容のものを作成し、普通の営業行為を無理矢理悪質な勧誘と思わせるように仕向けていたとあっては、よけい罪深い。
残念ながら、国民生活センターと全国の消費生活センターの相談員の中には、勧誘行為自体が悪質やという認識を持って仕事をしている人もおられるということや。
もちろん、そういう人の方が圧倒的に少ないと思いたいが、PIO-NET(パイオネット)の数字の中には、勧誘行為自体に悪意を持っている相談員が関わって報告されている事例もあると考えるさかい、どこまで信用してええもんか分からんというのが正直な気持ちや。
とはいえ、それに反論できるだけの根拠とデータがない以上、PIO-NET(パイオネット)の数字を無視するわけにもいかんさかい、ここでは一応正しいものとして話を進めるがな。
要するに、前回の改正では不十分やという数字が出ているさかい、内閣府消費者委員会による「特定商取引法専門調査会」で新たな法律を作成するための会議、会合を始めたということのようや。
ここでは、そのうちの『第6回特定商取引法専門調査会』の中間報告書の中から気になる点が、いくつかあったので、それについて言及したいと思う。
『勧誘に関する規制について』に『平成20 年改正の効果及び立法事実の更なる分析の必要性に関する意見・平成20 年改正の効果に関する意見』というのがあり、その中に、
『勧誘員の巧みなセールストークに対して消費者が明確な拒絶の意思表示をすることは困難である』ことを問題にしているという意見があったが、それのどこに問題があるのか、もう一つワシには理解できん。
もともと勧誘営業とは『巧みなセールストーク』を駆使することで『消費者が明確な拒絶の意思表示をすることが困難』、言い換えれば『思い直した上で納得して契約して貰う』ものなわけや。
こういった意見の背景にも『巧みなセールストーク』というのが悪質な勧誘員の常套手段、手口を指しているかのようなフシが見受けられる。
勧誘営業とは、説得により納得して貰って買って頂く、契約して貰うために行う正当な行為や。その点においては異論を差し挟む余地などないと考える。
そうであるなら、『巧みなセールストーク』を駆使することは、むしろ日本の営業業界全体の発展という意味からも推奨されるべきものやと思うがな。
少なくとも批判の対象になるようなものではない。
実際、『巧みなセールストーク』に関する営業指南書が巷の書店には溢れかえっている。それを見て勧誘営業そのものが悪質やとは誰も思わんわな。
『消費者が明確な拒絶の意思表示をすることは困難』というのは、本当は断りたいのに断り切れなかったために契約したということが言いたいのやろうと思うが、そういう人のために「クーリング・オフ制度」(注4.巻末参考ページ参照)というのが存在する。
「クーリング・オフ制度」というのは規定の期間内であれば、その理由の如何を問わず消費者側から一方的に契約解除できるという法律や。
本当に『消費者が明確な拒絶の意思』を持っていたのなら、その「クーリング・オフ制度」を使って、その勧誘員が帰った後で契約を解除すれば、ええだけの話やと思う。
実際に、その場で断り切れなかった人がクーリング・オフをするケースも多い。
「クーリング・オフ制度」を使わず、契約を成立させしまったということであれば、当然やが消費者の方にも責任の一端があるとワシは考える。
ただ、「クーリング・オフ制度」のことを知らずに、それができなかったという人も中にはおられるが、それについては業者側だけやなく行政側にも「告知の不徹底」という落ち度があると思うがな。
行政は法律を作ることには殊の外熱心やが、実際出来上がった法律を一般国民に告知するという姿勢には大きく欠けると言わざるを得ない。
法律を作りっぱなしというと語弊があるかも知れんが、行政は法律を作ること自体を目的のようにしている部分が感じられるさかい、作った後のことまで考える余裕がない、というか興味が湧かんのやろうな。
たいていは行政側のHPに公表しているから見に来いという姿勢に終始している。また、それで通ると思い込んでいる。
法律は知らなかったから免れる、許されるということはない。法律に触れる行為をすれば、その法律を知っていたか知らなかったかに関わらず相応の罪で罰せられる。
法律は知らない者が悪いという大原則がある。そのため告知徹底することが、おざなりにされているのやと思う。
まずは、そこから直さな、どんな法律を、どれだけ作ろうと意味がないのと違うやろか。
今回の委員会では『2009年12月1日に施行開始された「特定商取引に関する法律」の改正法』について効果がないということで、さらなる改正の必要があるとのことで議論されとるようやが、一体どれだけの人が、その法律の存在を知っていたと考えているのやろうか。
そのあたりのことを是非、訊きたいものやと思う。
新聞業界関係者ですら、この法律について、ええとこ100人に1人知っていたらええ方やという気がする。大半の者は「何それ?」と聞き返すはずや。
もっとも、新聞販売関係者の多くは法律と言えば「クーリング・オフ制度」くらいしか知らんというさかい無理もないがな。
新聞社も業界関係者には、それなりに関係する各種の法律を周知徹底するよう教育に力を入れているようやが、末端の勧誘員に浸透するまでには至ってないのが実状やろうと思う。
これについては、特に新聞勧誘員がということやなく、世間一般の企業人、労働者も一緒やと思う。
一体どれだけの人が自分のしている仕事に関する法律の知識を持っているのか。
そのことを、それぞれに問いかければ一目瞭然で分かると思うんやが、法律を作ろうとする人たちにとっては、その法律が周知されているのが当然、知っていて当たり前という思い込みがあるのか、そこまで考えが及ばんのやろうな。
一般国民で、『2009年12月1日に施行開始された「特定商取引に関する法律」の改正法』の内容すべてを知っている者など、それこそ皆無に近いやろうと思う。
その法律の改正の必要性を提唱する人たちは、世間一般に広く知られているにも関わらず効果がないという前提に立っているのかも知れんが、そうであるなら、恐ろしいほどの認識不足の上に立って議論をしているとしか言いようがないということや。
ナンセンスと言う外はない。何も分かっていない。何も見えていないと。
多くの人たちが、その法律自体の存在を知らんのやから効果など端から期待する方が無理やわな。
他にも『再勧誘禁止は消費者からの拒絶があったかどうかの事実認定が難しく、特に高齢者が当事者となる場合は記憶が曖昧なことも多いことから、勧誘時の状況を再現することが困難であり、今後の高齢化の更なる進展を視野に入れれば、現行の再勧誘禁止では不十分であるという意見があった』ということやが、それについても法律を改正して済む、事足りる問題やないと考えるがな。
『再勧誘禁止は消費者からの拒絶があったかどうかの事実認定が難しく』というのは、現行の再勧誘禁止では「当該の販売店にその旨を通知」することで良しとなっているさかい、それでええと思う。
『高齢者が当事者となる場合は記憶が曖昧なことも多いから、勧誘時の状況を再現することが困難であり』というのは何も高齢者に限ったことやない。
人間なら誰にでも起き得ることや。そんなことを理由にする神経を疑う。
『今後の高齢化の更なる進展を視野に入れ』というのも高齢者ほど物忘れをする傾向にあるという考えからやと思うが、そういうのは多分に個人差もあり法律で一律に決められるものやないと考えるがな。
『高齢者』ということやなく、『健常者』と『認知症患者』といった区別で考えるのなら、まだ分かる。
ただ『認知症患者』による契約事は現行の法律、システムでも簡単に契約解除ができるさかい、敢えて、この法律に組み込む必要性はないのやないかと思う。
実際問題として、『認知症患者』との契約と分かった時点で大半の新聞販売店が解約に応じているということでもあるさかいな。
ただ、それが新聞勧誘以外の訪問販売全般ということなら話は別や。
それであれば『今後の高齢化の更なる進展を視野に入れ』て法律を改正するのでも構わんと思う。
訪問販売業界関係者からの『不招請勧誘規制等の規制の導入については、影響が甚大であり、強く反対する』という意見には、それなりの根拠と理由がありそうや。
『そもそも立法事実からして、例えば国民生活センターに寄せられる相談のうち、問い合わせ又は相談と苦情がどのような内訳になっているのか、現行法で処理できたものがどれくらいの割合であるのかといった問題の所在の精査や、これまでの規制の効果に関する検証が十分に行われていない』というのはワシも疑問に思うところや。
もっと正確な事例を示して欲しいと思う。
『健全な事業者と悪質な事業者を区別することなく規制すること』についても、先ほどの言と同じやが、すべてを一緒くたにするというのは違うのやないかな。
真面目に仕事している者については、そのフォローになるように。悪質な者については、それなりのペナルティを科せるようにするべきやと考える。
その区別を明確にする必要があると。
また、『生活の平穏や消費者の自己意思決定など判例上確立されていない、更には訪問販売に限ることが困難なものを土台にしており問題である』という意見については精査する余地があるのやないかと思う。
そのためには、最初から「勧誘行為は悪質」やという色眼鏡で見るようなことをしたらあかん。
色つきの世界からは本当の景色など絶対に見えんさかいな。
「良い者が大半を占めるが、中には悪質な者もいる」という事実に沿った議論を深める努力をして欲しいと思う。
『勧誘拒否の意思表示の具体的な方法に関する意見』の中に、『訪問販売については、「お断りステッカー」や「拒絶意思の登録制(レジストリ制)」についての意見』というのがあるとのことで、どうやらこれが今回の最大の争点になっているようや。
「お断りステッカー」というのは、「訪問販売お断り」と書かれたシール、ステッカーのことで玄関口にたまに張り出されているものや。
法律の改正を推進する側は、これを法制化して、「お断りステッカー」を貼っている家庭への訪問販売を全面的に禁止、罰則の強化を盛り込みたいようで、反対する訪問販売業者側は、そんなことをされると「勧誘訪問の全否定」につながりかねないということで絶対に認められない、阻止すると息巻いているという。
まあ、ワシは「お断りステッカー」を法制化したところで大した効果は望めんやろうと思うさかい、どっちでも構わんというのが正直な気持ちやけどな。
「お断りステッカー」を法制化しても、おそらく何も変わらんやろうと思う。
特に新聞勧誘においてはな。
そもそも現時点でも真面目な勧誘員は玄関口などの目のつく所に「訪問販売お断りシール」やステッカーの類を見つけるとインターホンを押さず敬遠するのが普通や。
すべての家に、そういったシールやステッカーが貼ってあるのなら別やが、現時点で貼っている家というのは、ぜいぜい多いと言われる地域でも1割未満程度にしかすぎん。
それらの家を省いたとしても特段勧誘する家が少なくなるということもない。
新聞勧誘の成約率は100軒に1軒、つまり訪問した先の1%あれば良しとされとる仕事や。
それもあり、シールやステッカーの貼っている難しい客は最初から除外できるわけやから却って有り難いと考える勧誘員の方が多いはずや。
それが「訪問販売お断りシール」を法律化することによって増加するのなら、尚、喜ばしいことやと言える。
もっとも、実際にはいくら法制化されようと、それと知られることは殆どないやろうから、今以上にそういったシールやステッカーが増えるとは思えん。よほどのブームにでもならん限りな。
真面目な勧誘員の多くは、お客に嫌われる、あるいは揉めると契約が取れないということを、よく知っているさかい、客が嫌がると承知していて無理に勧誘するようなことは、まずしない。
無理を承知で勧誘すれば効率も悪く時間も取られる。むしろ「訪問販売お断りシール」を貼っていてくれた方が、その分無駄が省けて良いと考えるのが普通や。
現在、新聞勧誘には数多くの法律や決まり事が存在する。
民法では、第4条(未成年者との契約)、第120条(行為能力の制限)、第96条(契約の意思表示)、第415条(債務不履行)、第545条(原状回復義務)、民法第703条(不当利益返還請求権)、民法第761条(日常の家事に関する債務の連帯責任)などがある。
刑法には、第130条(住居侵入罪、不退去罪)、第159条(私文書偽造等)、第222条(脅迫罪)、第246条(詐欺罪)といったものがある。
また「特定商取引に関する法律」の中に第9条(訪問販売における契約の申込みの撤回等)というのがあるが、これが俗に「クーリング・オフ」と呼ばれているものや。
他にも「消費者契約法」、「景品表示法(6・8ルール)」、「個人情報保護法」、「新聞特殊指定」、「労働基準法」、「労働契約法」などがある。
その他にも主な業界の決まり事、および通達事項には、「金券廃止令」、「正常化の流れ」、「新聞購読契約ガイドライン」などがある。
まあ、それらの法律、決まり事を熟知している業界関係者は恐ろしく少ないがな。皆無とまでは言わんが、それに近い。
ただ、真面目な新聞勧誘員にとっては、そんな法律や決まり事など知らなくても、あるいは、この先どのような厳しい法律が作られようとも、関係ないという気持ちの方が強いやろうと思う。
お客に嫌われない勧誘、もっと言えばお客のためになる勧誘を心がけてさえいれば、どんな法律にも触れるはずなどないと考えているさかいな。
問題は「訪問販売お断りシール」を貼っていると承知して、あるいは、そのシールを貼っている家専属に訪問してくるタチの悪い勧誘員たちや。
世間一般の新聞勧誘員像というのは、強引で迷惑を顧みず、嘘や騙しによる契約を強要するイメージやと思う。
確かに、そういう者がいるのは認める。否定はしない。しかし、そういう者は全体のごく一部にしかいない。
もっとも、ごく一部でも、そういった悪辣な輩がいれば目立つし、排除せなあかんという考えに反対はせんがな。むしろ、そうして欲しいと思う。
何も言わず立ち去る勧誘員の存在に気づく人は誰もいないが、悪辣な輩の訪問は、すぐにそれと分かる。何も知らない人たちには、それがすべてに見えてしまうわけや。
いくら、そんな悪辣な人間は少ないと声を嗄(か)らして訴えても残念やが、それが現実やさかい、その声は誰にも届かない。
タチの悪い勧誘員は「訪問販売お断りシール」を「訪問販売はお断りできません」と読む。
面と向かって訪問販売を断れないような人が、そういったシールやステッカー
を貼っていると考える。玄関口に出すことに成功すれば絶好のカモになると。
実際、どんな勧誘員が来ても毅然とした態度で断ることのできる人は、そんなシールやステッカーなど貼ることは殆どない。必要ないさかいな。
勢い、悪質な勧誘員は「訪問販売お断りシール」を貼っているのは、訪問勧誘に弱い、断ることができんからやと考えるわけや。
悪質な勧誘員は、揉めることを好む。というより、わざとそういった状況に持ち込もうとする。
「訪問販売お断りシール」を法制化して、どのような罰則を設けようとしているのは分かんが、大した罪には問えないのやないかと思う。
多くの場合、犯罪の適用、摘発に関しては警察署の裁量に任されている。同じ違反行為があったとしても、ある警察署では摘発されたが、別の警察署ではお咎めなしという事例はいくらでもある。
そして、一般的な警察署では、よほど確かな法律違反以外は摘発しようとしないということがある。
多くの場合、契約事は民事になるさかい、それで揉めていると警察は「民事不介入の原則」を重視し、関わり合いにならないようにするケースが多いと言われている。
タチの悪い勧誘員は、そこを突くわけや。
勧誘された側の人が勧誘員の態度が悪い、暴言を吐いた、怖い思いをしたということで警察を呼ぶケースがある。
タチの悪い勧誘員は、そうなることを望む。古典的な喝勧の手法に、その方法がある。
わざと、客の気分を害することとか、突っ込みを入れたくなるようなことを言うて、反論させる。
反論させたら、その揚げ足をとって責めるわけや。「口の利き方が悪い」、「嘘をついた」という言いかがりが、それや。
こういう拡張員にとって、ベストな争いは、言うた言わんの水掛論に持ち込むことや。
この後、揉めれば揉めるほど、それをする拡張員は有利になると考える。また、そういう風に持って行く。
「脅す気ですか。警察を呼びますよ」
すぐ、こう言い出す人がいる。警察に通報すると言えば、それで退散すると思うのやろうな。
しかし、こういうことをする輩は、それもすべて計算の上、織り込み済みなわけやから、「警察を呼んでくれても構わない」となる。
警察には、事件が確定せな動けんという不文律のようなものがある。予想や想像で動くケースが少ない、というか動きにくい。
それには、日々、多くの事件が発生しているという現実にあって、これ以上、厄介事を抱えたくないという警察官の意識が働くからだと思われる。
「警察の民事不介入の原則」というのは、その厄介事を断るための口実として存在するものだと言われている。そう話す現場の警察官もいる。
また、警察の組織としても、民事に介入することを嫌う体質があるため、それに首を突っ込んでも、警察官にとっては何の益もないし、それで未然に事件が防がれたとしても評価はされることなど絶対にない。
というより、未然に防がれたということ自体、表面化するわけやないさかい、誰にもそれと知られることなどないわな。
骨折り損のくたびれ儲けということになるだけのことや。
それに、ヘタにその事に関わりすぎると上から叱責される恐れすらあるとあっては尚更、腰が引けた対応になる。
リスクだけを背負うことになり、間尺に合わないと。
それで警察が引き上げた後、「どや、警察など当てにならんやろ。この後始末をどうつけてくれる」と凄み、結果として成約に持ち込むことができるというわけや。
そういうわけで、ワシには「お断りステッカー」などあってもなくても殆ど意味がないと思えるのやが、問題にしたい人たちにとっては、そうではないのかも知れんな。
まあ、いずれにしても法制化するまでには、この先、まだ時間がかかるやろうし、今後も「特定商取引法専門調査会」というのが続くやろうから、その動きに何か変化があれば、その都度伝えたいと考えている。
また、この問題に関して賛成、反対を問わないので、ご意見のある方は是非、知らせて頂きたい。
参考になる意見があれば、「特定商取引法専門調査会」に関与している人たちに伝えたいと思うので。
参考ページ
注1.第79回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■『特定商取引に関する法律』改正法は業界にとってのチャンスになる?
http://siratuka.sakura.ne.jp/newpage19-79.html
注2.第6回特定商取引法専門調査会 .
http://jdsa.or.jp/20150615/
注3.第271回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■消費者センターの警告チラシ『新聞購読の契約は慎重に!』の是非について
http://siratuka.sakura.ne.jp/newpage19-271.html
注4.ゲンさんのお役立ち情報 その8 クーリング・オフについての情報
http://siratuka.sakura.ne.jp/newpage16-08.html
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